自律神経の改善

人間の体には、血圧・体温・呼吸などを安定させる2つの神経が備わっています。一つは、体を活動的にする交感神経、もう一つは、ゆったりとリラックスするように働く副交感神経で、この2つの神経を自律神経と呼んでいます。全身のほとんどの器官はこの2つの神経系がバランス良く働くことで適正に保たれています。こうした自律神経がうまく機能しなくなった状態が、自律神経失調症です。
自律神経失調症は、肩こり・冷え性・不眠症・下痢・便秘・食欲不振やどの場所が悪いかはっきり分からない「不定愁訴」などの症状を一緒に伴っている場合が多くみられます。

近年の傾向 ← クリック!

近年、交感神経の過緊張症ばかりでなく、副交感神経の過緊張症が多くなってきています。

その原因は、頭脳活動が増える一方で、重労働や1日の歩行量が減り、身体運動の絶対量が落ちてきていることがあると思われます。

また、子供においても、外で思いきり遊ぶ機会が減り、反対に室内でTVを見たり、テレビゲームをしたり、夜まで塾通いをしたりと、身体に対する刺激量が急激に減少しています。

副交感神経の過緊張が起きると、腸の働きが過剰になり、腸自体が細かく痙攣(けいれん)し、下痢をしたり、兎糞便(コロコロした便)になったりする症状が現れることがあります。これが「過敏性腸症候群」と呼ばれる症状です。

また、過緊張状態が長く続くと、副交感神経そのものが疲れ果て、活動そのものが急激に低下します。皮膚・粘膜の分泌異常やバリア機能の低下が起こり、外的刺激に対して非常に敏感になります。それに伴い、免疫力も急激に落ち込みます。

副交感神経の活動は30歳を超えると、歳とともに低下していきます。

それにより外的刺激に対するバリア機能が落ち、免疫機能低下による疾患が発生しやすくなります。




はり灸治療は、自律神経を整える効果が高く、興奮を抑え、体をリラックスさせる方向に働きかけます。

施術の流れ

1.カウンセリング
初診時は、問診票に症状・生活習慣などをご記入いただきます。

その後、問診にて詳しくお伺いいたします。気になる症状についてなんでもご相談ください。
自律神経失調症の原因は人それぞれです。一人ひとりの症状にあわせてプランを決定いたします。

2.着替え
当院では、患者様の症状に応じて、頚肩から背中、腹部、肘から先、膝から下にあるツボに鍼をします。そのため、これらの部位が容易に出せる服装が望ましいです。施術時は、バスタオルをお掛けしますのでご安心ください。また、施術室は個室になっておりますので、着替えを持って来ていただければ、着替えていただくこともできます。女性の場合、ノースリーブやキャミソール、裾の広いズボンやハーフパンツなどで施術を受けられる患者様が多いです。

男性の場合
「上半身は裸で、下着のみ」が望ましいです。ズボン着用の場合は膝までめくりあげられるものでお願いします。


3.鍼灸治療
自律神経失調症の治療は仰向けから始めることが多いです。
仰向けからお腹と手足にある内臓とホルモンバランスを整えるツボに施術し、しばらくそのままにします。施術をしている間にスーパーライザーを照射します。


次にうつ伏せで背骨に沿って両側にある内臓の調子を整えるツボに施術し、しばらくそのままにします。


4.生活上のアドバイス
食事や運動について簡単にお話し、終了となります。
その後着替えが必要な場合は着替えていただき、初診の場合は診察券をお渡しいたします。
会計をしていただき、次回の予約についてお伺いします。

通院ペースには個人差があり、1週間に1回の通院が望ましい方もいれば、1ヶ月に1回程度で大丈夫な方もいます。この症状は、短期間に集中的に治療するよりも、患者さんの生活スタイルに合わせて長期的に治療を行なっていく方がより効果があがります。

Q & A

Q.はりは痛くないですか?
A. 個人差はありますが、髪の毛ほどの細さの鍼を使用するため痛みを感じる方は少ないです。部位によっての違いもあり、蚊に刺されたときのようにチクッとする箇所もありますが、何も感じない箇所もあります。

Q.使用する鍼は使い捨てですか?
A.当院では、ディスポーザブル(使い捨て)の鍼を使用しています。
使い回しをすることはありません。そのため、感染症などの心配はございません。