過敏性腸症候群(IBS)は、病院の検査で腸に異常が認められないにも関わらず、慢性的な腹部の膨張感、腹痛、下痢、便秘などが現れます。はっきりとした原因は不明ですが、精神的ストレスが大きく関わっていることがわかっています。
過敏性腸症候群は「下痢型」「便秘型」「交互型」の3つに大きく分けられます。
・下痢型は、ちょっとした緊張や不安があると便意を催し、激しい下痢の症状があらわれます。
・便秘型は、腹痛や腹部の不快感を伴う便秘の症状が現れ、排便時に腹部が苦しくなることが多くなります。
・交互型は、腹痛や腹部の不快感とともに下痢と便秘を数日毎に繰り返します。交互型の便秘は腹部が張って苦しく、排便があっても小さな便であったり、すっきり出ません。
過敏性腸症候群がある場合、体には自覚症状以外に自覚のない全身的な筋肉のこり、血行不良、自律神経の乱れなどが存在します。実際、来院される多くの方に、患部以外に自覚のない全身的な筋肉のこりが見受けられ、そして、このこりが解消されていくにつれ症状も改善していきます。
はり灸治療により気血の流れ(自律神経の働き)を調整し、筋の緊張を緩和することで血行も促進します。また、便秘や下痢などの症状の改善も期待できます。体幹部の刺激は交感神経につながる脊髄反射を起こしやすく、手足のツボは迷走神経などを活性化しやすいともいわれています。
施術の流れ
1.カウンセリング
初診時は、問診票に症状・生活習慣などをご記入いただきます。
その後、問診にて詳しくお伺いいたします。気になる症状についてなんでもご相談ください。
過敏性腸症候群の症状は人それぞれです。一人ひとりの症状にあわせてプランを決定いたします。
2.着替え
当院では、患者様の症状に応じて、頚肩から背中、腹部、肘から先、膝から下にあるツボに鍼をします。そのため、これらの部位が容易に出せる服装が望ましいです。施術時は、バスタオルをお掛けしますのでご安心ください。また、施術室は個室になっておりますので、着替えを持って来ていただければ、着替えていただくこともできます。女性の場合、ノースリーブやキャミソール、裾の広いズボンやハーフパンツなどで施術を受けられる患者様が多いです。
男性の場合
「上半身は裸で、下着のみ」が望ましいです。ズボン着用の場合は膝までめくりあげられるものでお願いします。
3.鍼灸治療
過敏性腸症候群の治療はうつ伏せから始めることが多いです。
うつ伏せで背骨に沿って両側にある内臓の調子を整えるツボに施術し、しばらくそのままにします。
次に、仰向けからお腹と手足にある内臓とホルモンバランスを整えるツボに施術し、しばらくそのままにします。
施術をしている間にスーパーライザーを照射します。
4.生活上のアドバイス
食事や運動について簡単にお話し、終了となります。
その後着替えが必要な場合は着替えていただき、初診の場合は診察券をお渡しいたします。
会計をしていただき、次回の予約についてお伺いします。
通院ペースには個人差があり、1週間に2回の通院が望ましい方もいれば、1ヶ月に2回程度で大丈夫な方もいます。この症状は短期間に集中的に治療するより、患者さんの生活スタイルに合わせて長期的に治療を行なっていく方がより効果があがります。
Q & A
Q.はりは痛くないですか?
A. 個人差はありますが、髪の毛ほどの細さの鍼を使用するため痛みを感じる方は少ないです。部位によっての違いもあり、蚊に刺されたときのようにチクッとする箇所もありますが、何も感じない箇所もあります。
Q.使用する鍼は使い捨てですか?
A.当院では、ディスポーザブル(使い捨て)の鍼を使用しています。
使い回しをすることはありません。そのため、感染症などの心配はございません。